健診の頻度って?

2019年06月06日

健診ってどの頻度でやるのが良いのでしょうか?

答えは一番最後に書いてますので、読むのが億劫な場合は最後まで飛ばして下さい。

とても良い質問であると共に中々回答が多岐に渡るので難しい質問であると思います。

まず健診といっても我々の人間ドックと同じように色々な種類・レベルがあると思います。

触診や身体チェック程度から始まって血液検査、尿検査、便検査といった一般検査、レントゲンやエコー検査といった画像検査、最終的には麻酔を伴うCT、MRI、内視鏡といった具合でしょうか。

動物医療において(特に日本において)は麻酔を嫌う傾向があるため、一般的にはレントゲンやエコー検査程度までが健診で採用されることが多いです。

個人的には若い子であれば一般検査程度まで、6〜7歳を越えてくれば画像検査も組み合わせて下さいといった感覚を持っています。

頻度としては年1〜2回程度でしょうか。6〜7歳を越えれば年2回をお勧めします。

例えばワンちゃんの場合であれば、春先にフィラリア検査のための採血を行います。その際に少し多めに採血をし、それで健診を行う。この時期の健診はかな〜りリーズナブルな価格設定なのでお勧めです。そして秋〜冬の時期にもう一度行う。その際は中齢に差し掛かっていれば画像検査まで組み合わせていく。

これが最も効率的かな?と感じています。正直年1回の画像検査だと少し頻度として物足りない印象があるので、年2回一般検査&画像検査が出来れば理想ですが、フィラリア検査を有効な機会と捉えればこれでも十分だと思います。

画像検査はとても大事です。たびたびブログでも書いていますが、特にエコー検査です。侵襲性が少なく、でも血液検査などでは現れない異常などを検知できる(特に腫瘍性疾患)において大きなメリットがあります。特に脾臓の腫瘤は半分が腫瘍でその半分が悪性度のとても高い血管肉腫です。これが症状を表に出してくるときは脾臓破裂の結果腹腔内出血を起こした時くらいです。すなわち進行もしており予後が悪いです。先日も健診で肝臓に腫瘤があることを確認していた子を定期的にエコー検査でフォローしていたところ、突然脾臓の見え方が変化したため可怪しいということで摘出したところ血管肉腫でした。現在抗癌剤治療を行っていますが、そもそもそこまで辿り着けない子も少なくないです。エコー検査がきっかけとなって早期発見・早期治療を展開できたケースです。

何も無ければそれはそれで大事な安心できる情報です。やり過ぎは良くないですが、やらな過ぎはもっと良くありません。人間と一緒で年を重ねれば色々トラブルも出てきます。これを早めに対応できるかどうかが快適に過ごせる大切な因子だと思います。

<結論>若い子であれば年1回の血液検査や尿検査・便検査といった一般検査、中齢以降は年2回の一般検査に加え、最低でも年1回の画像検査を行うと良いのではないでしょうか?あとはお手入れついでで良いので1〜2ヶ月毎に触診や体重測定が出来れば言うこと無しです。あくまでも個人的な意見ではありますが、これで結構色々バランス取れているなと感じています。ご参考になれば幸いです。