コクシジウム症

2016年01月28日

明日はお天気が崩れるようですね。寒い日が続きますのでペットの健康には気をつけて上げてくださいね。

さて、最近は下痢を主訴とする子の来院が多いです。それもちょっとした下痢ではなくて、点滴入院まで必要になるレベルです。人間ではノロウイルスによる腸炎などが今時期の流行りになりますが、動物達の場合は中々何を食べたか?とか異物の誤食などもあり、原因の特定は中々難しいのが実情です。当然、その中には簡単な病気でないものも紛れていることもあるので注意が必要です。

さて、そんなお腹を壊した子の中で考えさせられるケースがありました。

1歳の女の子のワンコ。。。嘔吐と下痢を主訴に来院されました。最初はロウソクなどを誤食したかもといった問診を得ていたために急性胃腸炎として対症療法を開始しました。しかし、治療に一定の反応を示すものの、イマイチ治りきりませんでした。何のため、便検査を含めた各種検査を実施するとコクシジウムが大量に糞便から検出されました。恐らくはコクシジウム症による消化器症状だったと推測されました。その他検査には異常は無く、コクシジウム症の治療を開始しました。投薬の結果、コクシジウムは検出されなくなり、このまま鎮静化していくことを期待します。

さて、ここで気になるのは何故いきなりコクシジウムの感染を起こしたのか??ということです。コクシジウムは原虫と言われる生き物で、感染にはオーシストという卵のような物を経口的に接種することで感染します。そして消化管内を通って糞便から再度オーシストを排出し、他への感染源となります。単頭飼育であることから他のワンちゃんとの接触は家庭内ではありません。しかし、この子は頻繁にドッグランに行く子であるため、恐らくはそこにコクシジウム保持犬がいてそこから感染した可能性が考えられます。ドッグランは最近では予防をしっかりとしていることが入場のルールになっていますが、全ての予防を網羅することは不可能です。そのため、やはりこういった事はリスクとして十分理解する必要があると思います。当然、他の子への感染源にならないようにもしなくてはなりませんし、感染から守ることもしなくてはなりません。

何をどこまでしたらいいのか?たかが下痢でも本当にたかがなのか?このような事は是非かかりつけ医さんとのコミュニケーションを取って正しい知識を得てあげましょう。どうしたらいいのか分からない場合はまずはお電話でも構いません。気軽に聞けるドクターを見つけてあげてくださいね。