スキンケアだけでもここまでキレイに☆

2015年12月26日

クリスマスも終わりまして、2016年がすぐそこまで来ていますね。

さて、今日は当院で実施しているシャンプーの実例について。

何回もブログで出ていますが、より良いシャンプーやトリミングのためにマイクロバブル・炭酸泉発生装置を導入していますが、一番の目的は皮膚病治療としての有用性にあります。

今回登場するのはシェルターさんの保護犬のKちゃん。犬種は不明ですが、とても懐っこくて優しい子。シーズーの血入っているのかな〜?という感じ。この子はシェルターさんが引き出した時にはひどい皮膚病を患っており、当院で避妊手術と同時に皮膚病の相談を受けました。確かに、初診時には診察室に入った時点で脂の焼ける様な臭いと強い痒み。。。診察台でも痒そうでした。

所見としては湿性の脂漏症と、それによるマラセチア性皮膚炎の併発による皮膚炎と診断され、大元にアレルギー性皮膚炎が背景にある可能性も否定できません。この様な場合にまず行うこととしては徹底的な感染のコントロールです。過剰増殖したマラセチアへのアプローチを行います。案外感染をコントロールすることで痒みが許せるレベルに落ち着くことは少なくありません。また、痒みのメインがどこから来ているのかを考慮する上でも感染のコントロールは必須です。当院にくる2ndオピニオンの子達も結構そこが疎かにされている印象です。

Kちゃんもまずは薬用のシャンプーを頻回に行うことと、外用薬を併用することで治療を開始しました。

すると治療する中である程度の痒みは取れるけれども、ベタつきや臭いが中々取れないという状況になっていきました。実際に検査をしてみてもマラセチアはそんなに増えていない。。。でもベタつきや痒みがある。。。すなわち、感染以外の痒みの因子があるということですね。実際にシャンプー直後から臭いが当院でも認めていました。脂漏症がメインのようでした。脂漏症は角化亢進状態の1種と考えられていますが、積極的な脂の除去が必要です。でも、これが中々取れないんです。。。

ちょうどその頃にマイクロバブル・炭酸泉発生装置を導入したため、Kちゃんに行ってみることとしました。

すると、シャンプー後の臭いが圧倒的に少ないというかほぼありません!また、結構色々な薬浴を試したものの取れないウェッティな感じもサラサラになってくれました!実際にこのシステムにしてから、お家での臭いの再燃も間隔が拡がってきた印象もあり、それに併せて皮膚炎の症状も軽減していきました。この間は内服は一切行わずにシャンプーを週に2回行っていくだけでした。

マイクロバブルが無ければおそらくは内服なり外用なりをコンビネーションで行っていたことが予測されますが、このシステムのお陰で余計な薬を使わなくて済むようになり、また、お家での手間も随分楽になったと思います。

スキンケアだけでもここまで良くすることが出来るのであれば素敵なことだと思いませんか?確かにステロイドや免疫抑制剤、抗生剤などはどうしても必要なケースはありますし、使うべき時にはしっかりと使用すべきです。しかし、盲目的に処方されているケースも少なくありません。余計なお薬の使用を控えることは耐性菌の問題や、飼い主様のコンプライアンス、動物への負担、様々なケースでメリットがあります。当然、シャンプーが嫌いな子には難しい方法かもしれませんが、スキンケアには色々な方法があります。

お気軽にご利用くださいね!