子宮蓄膿症

2015年06月27日

今日は雨降りでしたが、みなさまいかがお過ごしですか?

今日は子宮蓄膿症の手術。

子宮蓄膿症は子宮内に膿が貯留し、増殖した菌の増殖や産生する毒素など様々な要因で多飲多尿、一般状態の悪化、陰部からの下り物(出ないケースもあります)、場合によってはDICやSIRSなどの死に直結する状態になることも少なくない疾患です。我々の中では夜間に緊急手術を行う有名なものの一つです。

今回は中齢のポメラニアン。血便や一般状態の低下を主訴に来院されました。症状としては大したことの無いレベルでしたが、未避妊であったことから本疾患は常に念頭に置いてしました。血液検査で炎症マーカーの上昇やエコー検査で子宮の液体貯留を認めたため、単なる胃腸炎では無く、子宮蓄膿症からの症状の可能性をお伝えし、手術となりました。アルブミンの低値も認めたため、こちらへも警戒しつつ手術準備を整えます。

実際に開腹してみると、やはり子宮は拡張・液体貯留しており、内部には膿が大量に溜まっていました。抗菌薬や点滴を術前〜術後としっかりと行って数日の入院の後、退院予定です。

本疾患は避妊手術を早期に行うことでしっかりと予防できる疾患です。よく「避妊はしなくてもよい?」と質問されることがありますが、このようなケースが数多く見られることからやはり避妊手術は強く勧められます。本疾患を始め、子宮や卵巣の疾患は罹患するととても重篤になるケースが少なくなく、リスクマネジメントを考えるととても大切な手術だとお伝えしています。

若いうちでも子宮蓄膿症は起こりえます。病気になってから後悔する前に、きちんと避妊や去勢をして予防できる病気はしっかりと予防してあげることがとても大切です。