トイ犬種の骨折

2018年07月03日

トイプードルさん達をはじめとしたトイ犬種達、小さくて元気でとても可愛らしいですね。

そんなトイ犬種達の鬼門の一つが落下や飛び降りの失敗等のよる骨折です。。。

とても骨が細いため、癒合不全が起こりやすく、トイ犬種というだけで手術のハードルが上がります。

今回は橈骨・尺骨の子に対しロッキングプレートを用いて骨折の整復を行いました。

ロッキングプレートは元来のプレーティングとは全く異なる原理で固定していきます。元来のロッキングプレートはスクリュー(ネジ)を締めることでプレートと骨が密着し摩擦力を得て固定しています。一方ロッキングプレートはスクリューとプレートが一体化することで角度が安定し、骨折部を安定化します。骨とプレートが密着しないことで骨への血液供給を遮る事が無く良好な回復が期待でき、さらには従来のプレーティングよりも簡便かつ安全に確実な固定が出来ます。術後もスクリューの緩みが起こりにくく、とても良いシステムだと感じています。

ただ、ネックとしては費用の問題です。スクリュー1本で軽く数千円するような代物です。しかし、術後の癒合不全リスクや安全性はそのデメリットを遥かに上回るものがあると思います。今回も2kg弱の子でしたが、安全に整復・固定が出来ました。

手術後は運動制限をし、徐々に固定を緩めていき、足に負重するようにしていきます。骨の癒合を定期的に診ていきながらスクリューやプレートの抜去を検討していきます。大体全治3-4ヶ月といった所でしょうか。

当院ではなるべく多くの症例に対応できるよう準備をしています。皮膚疾患・内科・外科・整形・・・専門病院を紹介する事もしますが、右から左ではいけません。なるべく広く、深く。。。終わりは全く見えませんが一つ一つ成長していこうと思います。とりあえず行って聞いてみようと信頼される病院を目指していきます。