鼻カテーテル

2015年11月21日

数日前からの嘔吐・食欲不振で来院したTちゃん。

若い子なので異物による閉塞か?と思いましたが、体を見てみると脱水は然ることながら体が真っ黄っ黄。。。血液検査では肝臓の数値が機械で測定出来ないくらい上昇し、黄疸の数値もびっくりするくらいの数値。画像検査をすると腫大した肝臓と脾臓。原因や明確な治療方針を立てるにはもう少し踏み込んだ生検が必要な状況。しかし、本人の一般状態や検査数値が悪すぎてすぐには踏み込めないため、対症療法を開始。投薬とこまめな給餌を行いますが、本人は強く嫌がってしまいます。。。病態的には胆管肝炎からの肝リピドーシスの併発が疑われますが、脾臓の腫大が説明つきません。若いですが、腫瘍性疾患なども考慮しなくてはいけません。

ネコちゃんは無理矢理給餌や投薬をするともっとそれらを受け入れなくなってしまうことがあるため、ジレンマに陥ることがあります。そこで、今回はお鼻から細いカテーテルを入れてそこから栄養補給や投薬を行う鼻カテーテルを設置しました。この方法は見てくれは悪いですが、侵襲性も少なく入院に伴うストレスを軽減する事ができます。さらに積極的にやる場合は当院では食道カテーテルやPEGチューブを設置することもありますが、これらは麻酔が必要なため、Tちゃんにはまずは鼻カテーテルで行くことにしました。

スタッフさん達のこまめなケアの甲斐もあって1週間ほどの時間はかかっているものの数字はどんどん改善してきており、一般状態も良くなっています。自力での採食も可能なくらい食欲も戻ってきています。ここまでくれば原因の精査を行うこともできそうです。まずは腫大した肝臓と脾臓をエコーガイド下で針生検を行う予定です。理想的には開腹して直接組織生検を行いのがベストですが。。。原因が分かればより根治的or効果的な治療が展開できると思います。

少しでも早くお家に戻れる様にもうちょっと頑張ろうね。