野良猫の避妊去勢手術

2020年05月05日

今回はとても残念な内容です。。。

飼い主のいない猫の避妊去勢手術に対して目黒区から助成金が出ます。

当院では全て日帰り、抜糸不要、耳カット、ノミ・ダニ駆除剤塗布をした上で、野良猫さん独自の料金(要は助成金の枠内)で行っています。その代り、術前検査はしない、檻やゲージなど、外から注射が打てる入れ物に必ず入れて頂いてもらうようにしています。

各自治体でそれぞれの助成額の違いや、やり方がありますが、目黒区の場合は申請をして助成金をもらい、手術費用にあてがって下さいというものになります。

申請の受付期間が年に何回かあり、その時期が来ると必ず当院にも助成金を使って手術を受けさせたいのだが、という問い合わせが来ます。

以前ブログにも書いたのですが、飼い主のいない猫というのが基準になりますので、誰かが食・住を与えていればそれはその人や地域が飼い主になると考えています。なので、その場合は普通の飼い猫さんと変わらない対応をお願いしています。

それはさておき。

実際に手術をして欲しいという事で予約をしてもらうのですが、本当に多いのが連絡無しのドタキャンです。野良猫さんなので、都合通りに捕まらない事は重々承知なのでそこは仕方無いですし、寧ろ大変でしたね、、、という同調の気持ちしかありません。急なご予定かもしれません。しかし、それなら必ず捕まらなかった、連れていけないというご連絡をしてもらいたいです。野良猫さんとは言え、全身麻酔をかけての外科手術になるわけですから、片手間でやるような事では決してありません。器具や人員の準備は常に出来ているので、それは良いのですが、来ないと分かればその時間や人手で他の事が出来ます。でも連絡が無ければいつまで待ってれば良いのか、舵を切ることが出来ません。その間に緊急の手術が必要になったらどうすれば良いのでしょうか?

飼い主でもない野良猫さんの手術をしようと思う気持ちと実際に行動に移そうという気持ちはとても素晴らしいのですが、どうも命を扱う手術に対して軽く見ている方が多いようです。普通の診察や外来をキャンセルするのとは影響が段違いです。コロナの場合もそうですが、自分の行動が周りへ及ぼす影響についての想像力が必要です。

こういう事が本当に多く、今回も連絡なしのドタキャンがありました。事業的にはとても大切な事なので積極的に受けたいのですが、利用する側のモラルに問題があるのでは中々難しい部分があるなと思っています。繰り返しますが、捕まらない、予定が流れた事が問題なのではありません。連絡が無いという事が問題なのです。ここで言っても仕方無いことではありますが、あまりにも目に余る現状です。これでは折角の事業も上手く稼動することは難しいでしょう。全力を挙げて、しっかりとしたノウハウを持って捕獲、手術、リリースをしている団体、個人の方もいらっしゃいます。とても素晴らしいことである一方、一部の無責任な方のせいで獣医師側が尻込みをしてしまい、事業の足かせになることはとても良くないことだとも考えます。

今後は前金制にするなど、多少のご不便は承知で体制を考えて行こうと思います。