遠方からのお問い合わせや他院処方のお薬についての相談について

2019年05月19日

ブログを書いている影響なのか検索の末、都外からの診療などについての問い合わせが大変増えています。

国内は南から北までは当たり前。先日はアメリカなんてこともありました。

内容はほとんどが今の治療が上手くいかない、不明点や不満や不安があるといったもの。

他院で処方された〇〇というお薬にこういう副作用はありますか?というのも多いです。

もはや問い合わせというより相談窓口と化しています。

頼って頂くことはとても有り難いことではありますが、正直良いものとは思っていません。それは以下の通り。

・電話やメールでは分からないことも多く、歯切れの良い回答は出来ないだけでなく、こちらの誤解などによって誤ったミスリードを引き起こしてしまう恐れがあまりにも多い事

・その結果元来のかかりつけの先生に水を差してしまう事などに懸念がある

・このような場合は本来なら診察料などが発生する内容にもなるものの現実問題請求することは不可能であり、一般の飼い主様との公平性が保てない→当院をかかりつけしているならそのような問い合わせはむしろウェルカムであり、うちをかかりつけにしているメリットと感じてもらいたいので良いのですが。。。

・割と少なくないケースでかかりつけ医との意思疎通が出来ていない事が多いこと。インフォームをしない獣医師も問題ですが、ちょっとしたすれ違いで伝えるものが伝わっていなかったりすることも多く、お互いがちゃんと話せば理解できるような状況であると推測されることが多い

・お薬の副作用などについての説明は処方した病院さんからすることですし、製薬会社の相談窓口等に問い合わせていただくべき案件です。当院は一般論以外お答えできません。

などなど。そもそも当院が出る幕では無いということです。

人間ではセカンドオピニオン外来というものが存在しますが、獣医療では中途半端な感じです。何でも相談できる先生をどのようにして探すのか?出会うのか?なぜいないのか?このようなお気持ちからの行動かと思います。しかし、一番大切なのは今のかかりつけの先生です。それはその子の事を良く知って考えてくれる人なはずです。違うと思う場合は探しましょう。電話での雰囲気ではなく直接受診して探して下さい。セカンドオピニオンは外来であって直接診察をするものです。電話などは相談や問い合わせに過ぎません。病院の業務の主体は電話相談対応では無く、目の前の子・飼い主様を救う事です。

当院は一般的なクリニックです。皮膚疾患は置いておいてですが、特殊な技術や知識をたくさん持っているわけでも無ければ何か魔法が使えるわけではありません。ごくごく当たり前の事を当たり前にやっているだけです。それはお近くの先生にもいらっしゃると思います。どうにかしたい、何とか打破したいという藁にもすがる思いからの行動だとは思いますが、個人的にはベクトルが少し誤ってしまっていないかな?と思う部分もあります。セカンドオピニオンを取ることが悪いことということではなく、そのエネルギーがあるなら本当に必要か?かかりつけに相談は出来ないのか?どのようにすれば中途半端じゃないのか?等を考える事が必要です。それは電話やメールで解決出来ません。直接診ずして解決は出来ません。出来るレベルならとっくに問題は解決しているはずです。うちに聞く余裕があれば、かかりつけ医に良く話を聞いてもらった方が良いのは自明です。また、聞くくらいなら直接来院して受診をしたほうが正解です。第三者の意見はとても大切です。ですが、その第三者の意見もしっかりと診療を経て得た方がより確実です。

SNSやネットなどで簡単に相談できる窓口が増えていますが、それと動物病院そのものを混同しないように注意しないといけません。先に述べた通り、動物病院の仕事は目の前の診療です。電話の間にも待っている患者さんがいます。かかりつけの患者さんがSOSの緊急電話を掛けてきているかもしれません。手術・検査があります。手が空いても他の仕事がごまんとあります。そういう事を慮る想像力が必要です。当然、我々も理由あっての相談だと思いますのでしっかりと慮って、精一杯の対応はしてきました。しかし、普段の診療にも影響が出てくるレベルにまでになってきています。当院をかかりつけにしている方は引き続き電話やメールなども使いつつ頼ってもらいたいですが、遠方などで来るつもりが無い、でもとりあえず相談という場合の対応は今後お断りせざるを得ません。

一次診療の大切な要素の一つは近いということだと思います。物理的な距離、心情的な距離、どちらもとっても大切です。バランスは人それぞれですが、それぞれの最適解はあるはずだと思います。

纏めると、「当院かかりつけでない子の診療やお薬についてのお問い合わせ・ご相談は、直接ご来院の上受診して頂ければ、診察の中でお答えさせて頂きますし一生懸命考え、寄り添い、良い方向に行くようサポートします!しかしお電話やメールでのご相談の回答は致しかねます」です。面倒であるとかネガティブな感情は一切無く、責任上・道義上ただただ当たり前の事と思っています。当院のモットーは「あって良かった、来てよかったと思える医療を提供すること」ですから。

本音を言えば、暇なタイミングであれば一般論で良ければお話できる部分もあるし力になれるものもあるかもしれません。力になれるならなってあげたいです。でも時間が無いんです。そうするとたまたま暇な時に対応出来た人には良いけれど、忙しい時に問い合わせてきた人には対応出来ません。それは仕方ないけど不公平だなと思いますし、出来なかった時にSNSや口コミサイトなどで「冷たくされた、対応してくれなかった」などと言われたらとても傷つきますし、不本意ですし、勝手なことを、、、と思ってしまいます。善意でやってるのに結果として悪口に繋がりかねないならいっそのこと対応しない!とドアを閉めるべきなのかなと今の時代に於いては感じています。

やれる限り精一杯、そのような問い合わせにも力になれればと思って対応して来ましたが、問い合わせ数が普段の診療が疎かになるレベルになってしまいました。中には本当に大変なシチュエーションの方や流石に無碍には出来ないという方達もいましたが、目の前の動物さん達に注力をさせて頂くべく心を鬼にして、新規でかつ遠方等で来院予定の無い方の相談はお断りさせて頂きます。苦渋の決断であることをご理解下さい。